組織の創造者たち - ナポレオン-(m)

―貧乏少尉から皇帝へ―
コルシカの小村から身を起こし、フランス大革命を収拾し、独裁者に変貌し、やがて全欧州大陸に君臨した人物とその政治は?
「悪法といえども法である」
毒杯をあおいでこの世を去った、ギリシャの哲学者、ソクラテスの最期の言葉として有名です。これは、現代においても通ずる考えであり、実体験を持った人もかなりいることでしょう。
なにしろ、現代社会に生きる我々は、法律という”契約”の中で日々、利害得失の局面に立たされているからです。
通常、我々の周囲には”見えざる保障”が張り巡らされています。が、しかし、ひと度、何らかの”事故”が起き上がれば、その保証とやらもどう変化するか想像もできないのです。それほど現実の様相とは計りがたいものである――との認識は、我々の間にも十分になされていることでしょう。